1994年、ランサーエボリューションは二代目へと進化した |
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モータースポーツの世界は絶えざる進化がなければ生き残っていけない。WRCとて同様で、世界中の自動車メーカーが凌ぎを削る激しい戦いの中にあってはランエボも開発の手を緩めるわけにはいかないだろう。エボUに乗ってみると、そんな激しい競争に対する開発陣の意気込みと努力の成果をすぐに感じ取ることが出来る。 とにかく「速い」のだ。一体、外観的にもパッケージング的にも、スペック的な大変更を受けないでいるのに、どの部分をどう改良してこんな「速さ」を生み出したのか、大いに興味をそそられる。 まずはエンジンだ。4G63型インタークーラー付DOHC16バルブ2lエンジンで、ユニットはエボI同様である。しかし、パワースペックは10PSアップの260PSへと引き上げられた。 主に過給圧の向上によって達せられた出力アップだが、排圧の低域などもあり、まるで見違えるようなレスポンスを発揮する。もちろん低中速域のドライバビリティの良さはそのままで、高回転域のレスポンスが良くなり、6000rpm以上までスムーズにトルクダウンを感じることなく回していけるのだ。 このハイブーストを上手く加速につなげるため、トランスミッションも改良され素早いシフトが可能になった。従来の2速に加え、3、4速ギヤにもダブルコーンシンクロを採用。操作力が軽くなり、クイックにシフトアップできる。 そして注目のハンドリング。ハンドリング特性(操縦安定性)については、エボUは劇的な変化をみせてくれた。まず、エボIが苦手としていた高uターマック路におけるハンドリングの向上である。基本的なウェイトバランスとしてはフロントヘビーでエボIと変わらないが、タイヤサイズアップやサスペンション各部の見直しにより、非常に軽快なコーナーワークを見せるようになったのだ。コーナーアプローチでのブレーキングターンインでのアンダーステアは激減し、フロントのCP(コーナリングパワー)アップと相まって素早い回頭性を示す。ミドルオブコーナーではアクセルコントロールによりヨーモーメントのコントロールが可能で、場合によっては4輪パワースライドのドリフティングもできるようになった。リヤのロール感は減少し、ロール剛性が高まったようで、僅かなステアリング操作でもリヤがレスポンスしてヨーが発生させられる。エボIでのイナーシャコーナリングから一転して、ステアリングに依存できるようになったため、プレジョン(正確性)が上がり、狙ったラインを思い通りにトレースできる。サーキット走行でのラップタイムは大幅に向上し、一周2km強のコースで一周当たり3秒近くタイムアップした。
これらの事実からもわかるように、エボIIはグラベルだけでなくターマックの戦闘力を格段に向上させてきたといって良い。また、速さ、出力アップに伴ないボディ剛性をさらに強化したため、クルマとしの質感も向上している。一見地味目に映るエボIからIIへの進化だったが、走り出して得られたその内容は、大変な効果を感じさせてくれたのだ。このパワフルさ、コーナーでの軽快感、コントロール性の良さ、その走りの全ては、本当に無敵と感じさせるのに十分なものだった。 1994年、このエボUを走らせた時、WRCでの大活躍は十分に予見できたのである。 |
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