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エンジン出力はついに270PSとなり、ますます高回転化が施されている。エボIIIを初めて見た時、そのボディワークの見事さに驚かされた。ベースのランサーと同じクルマとは思えないほどに迫力を増し、ただならぬ存在感を醸し出している。ターボチャージャーの変更などにより高められた出力は、サーキットでも4輪をパワースライドさせるほどに強力。ボディ剛性やサスペンションなどではエボIIのものを引き継いでおり、大きな違いはないのだが、10PS高められた出力によってよりハイチューンなイメージが強まった。ショックアブソーバやバネ定数などに若干の見直しを受けたため、ロードホールディングが高まり、フィール的には安定サイドとなったハンドリングだが、その分、限界が上がったことは言うまでもない。
インタークーラーの冷却用ウォータースプレー噴射ノズルが2本となり、より冷却能力が高められた。この効果は抜群で、3〜4秒もスプレーすると過給圧が上がったのでは、と思わせるほどのトルクアップを見せる。もともとWRCのSS用に設定されたものだが、サーキットにおいても、ストレートの度にスプレーするとラップタイムが短縮できるほどの威力を発揮した。
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また、エンジンの最高出力発生回転数が6250rpmに高められたことで、より高回転でのドライバリティが増し、常用できるようになった。これでジムカーナコースのようなステージでも自由度が増し、強さにつながってくるはずだ 。ブレーキの耐フェード性も向上し、コントロール性の良さと相まって申し分ないレベル。もともと軽量なランサーということもあり、そのコーナーワークの良さでサーキットでも一目置かれる存在となっている。 |
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一方、ワインディング路や市街地でも、とても扱いやすい。しっかりしたボディ剛性はサスペンションのハーシュネス、突き上げ感を低周波でキャビンに伝えることによる不快感がなく、適度に固められたサスペンションは過大なロールを起こすこともなく車体が安定していて乗員に安心感を与えてくれる。レカロ社製のシートは視認性を確保するためヒップポイントが高く、そのため後席のフットスペースにも余裕があり、居住性はすこぶるよい。これは、エボI、エボIIにも言えることだが、RS仕様は軽量化のためにアンダーコートや静振材を大部分省略している。しかし、GSRではむしろ高級車と比較しても遜色ないレベルと言える。 |
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ワインディングのアップヒルでは力強いトルク感で4人フル乗車でも全く不満のない走りを見せる。4人乗ることでリヤタイヤの接地荷重が増し、バランスとしてはむしろ改善される位で、競争を考えなければむしろ好感が持てるフィールである。これはセダンとしては正しい方向性と言える。エボリューションというと、とかくモータースポーツのベース車両ということで実用性が低いように思われがちだが、ことGSRに関して言えばそういう心配は全くいらない。市街地は、ありあまるトルクを駆使すれば2速、3速だけで十分走れてしまうし、ハイスピードステージ以外でもエボリューションの魅力は十分理解できるはずだ。 |
このようにエボIIIになってダートからサーキットまで、そしてオンロードでの実用性までもが完成の域に達した。次期モデルはランサーシリーズがフルチェンジすることもあり、CE9型ランサーベースとしてはエボVが最終モデルとなる。それだけに、与えられたこの完成度の高さ、強力な走りは、歴史に残る仕上がりと言えるだろう。 |