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ランサーエボリューション III

進化の歴史

●WRCの秘策が込められたパワーユニット
4G63型ユニットは、このエボリューションIIIでひとつのクライマックスを迎え た。ピストン頭頂部の形状変更によって9.0というターボエンジンとしては高圧縮比に設定 され、ターボの圧縮側の口径を60φから68φに拡大、マフラーも排圧低減を実現した ことで、最高出力は270psを達成している。インタークーラーの容量は変わらないが、 ウェータースプレーは2基に増設。さらにエンジン関係のトピックは、その後のWRC で常識となるターボのアンチラグシステムがこのエボリューションIIIから導入されてい ること。2次エア供給システムと呼ばれるこのアイテムは、エボリューションIIIでは実 際には作動していないが、グループAのレギュレーションにより市販車の状態で装着さ れていなければならない。エボリューションがWRCに直結したクルマであることを再 確認させる事実である。
●勝つための機能が凝縮したエアロスーツ
IIIをもっとも特徴づけているのは、その衝撃的なスタイリングだろう。IIでもエ アロダイナミクスを考慮したスタイリングは話題をさらったが、IIIではさらに加速。と くにフロントセクションは、エンジン、ブレーキのクーリングに積極的に空気の流れを 利用するためにドラスティックなモディファイが加えられている。バンパー全面にエア ダクト開口部が拡大され、エアダムエクステンションにもブレーキ冷却用のインレット が設けられたスタイルは、闘うマシンの精悍な雰囲気を醸し出す。リヤウイングもウ イッカの形状が見直され、翼端板が設けられた大型のデザインに変更。より大きなダウン フォースを生み出すことに成功した。
●さらなる剛性アップを果たしたボディ+フットワーク
エボリューションIIIのテーマはエアロダイナミイクスとパワーアップにあったた め、どうしてもそこに目が行きがちだが、ボディ関係も熟成が深められている。とくに ボディはねじり剛性がIIに比較して20%の向上。サスペンションもレイアウトこそ変更 はないものの、各アーム類の剛性アップが図られている。これはとくに国内のモーター スポーツや、グループNで海外ラリーを走るユーザーから上げられた要望で、強力なパ ワーを生かし切るためのシュアなハンドリングに貢献するためのモディファイだ。