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エボリューション

インプレッション

世界で活躍するランサーエボリューションは、各国の専門誌も注目!

ニュージーランド 『SpeedSport』誌

 今回はエボ7のロードカーではなくラリーカーそれもWRカーについて、ニュージーランドのスピードスポーツ誌が取り上げた記事ををお送りしよう。

最初はラリーアートヨーロッパ代表のアンドリュー・コーワンへのインタビュー。

どうして他のメーカーは1年も前にWRカーをすでに完成させていたのに、ラリーアートはWRカーの製作が遅れたのですか?

まず、我々はWRカーの必要性を感じなかったからです。最近までグループAレギュレーションにおけるクルマと、WRカーレギュレーションのクルマのパフォーマンスがあまり変わらなかったというのが理由です。それとロードカーとラリーカーの性能差があまりないように開発するというのが、我々三菱のポリシーだったからという理由もあります。

今後、WRカーをプライベイターに供給していく考えはありますか?

これは今後決めていかなくてはならないことと考え、いろいろな可能性を現在検討中です

長期的な三菱ラリーチームの方向性はどのようになっていますか?

FIAに交渉して、今後3年間はグループAプラスカー(エボ6.5)で、エントリーすることを認めてもらっています。これはダイムラー・クライスラー三菱グループの方針として、F-1はメルセデスで、ラリーは三菱でやっていこうということで決定しました。

次にチーフエンジニアのベルナール・リンダールに聞いている。

WRカーレギュレーションになって、クルマのパフォーマンスはグループAレギュレーションとどのように変わりましたか。

WRカーレギュレーションによるもっとも大きな変更はボディシェルです。これによりホイールハウスを拡大できるようになり、サスペンショントラベルを大きくすることが可能となりました。また、エンジン搭載位置の変更も認められたので、重量配分を適正化することができるようになりました。01WRカーの場合、エンジン搭載位置を約20mm後退させていますが、同じトランスミッションを使えるように搭載角度は変えていません。しかし、02WRカーでは搭載角度も後傾させて、より前後重量配分を適正化しています。これによりエンジン搭載位置はフロントアクスルより完全に後ろになっています。

お話を伺っているとほとんど同時期に2台のクルマを製作しているようですね。

まさにその通りです。我々が01WRカーと呼んでいるクルマはサンレモラリーに登場し、今皆さんにお見せしているクルマですが、これは少なくとも今シーズン最後まで使用することを決めています。02WRカーと呼んでいるクルマは02シーズン中にデビューする予定です。

 このWRカーはエボ7の外観によく似ていますが、それはどういうことですか。

これはちょっと複雑なことなんですが、このWRカーはランサーではなく、セディアをベースにに製作されています。すでにランサーの生産は少なくなっているので、年間25000台生産されているモデルをベースにするというレギュレーションに合致しなくなっているのです。しかし、プロモーションの関係で、ランサーエボリューションWRカーと呼ばれています。ただ、多くの部分はセディアをベースとしているのです。一方、エボ7もセディアをベースとしていますが、WRカーとエボ7にはボディスタイルを除いてあまり関係はないのです。

WRカーとエボ7の外観上の違いを教えてください。

確かにWRカーとエボ7は非常によく似ていますが、実は細部は異なっています。たとえばWRカーのフロントグリルの開口部分はエボ7より小さくなっています。これはWRカーのレギュレーションではエボ7の開口部は大きすぎるからです。そこでブラックにペイントしたパネルをフロントグリル上部に取り付け、エボ7に見えながらレギュレーションにあうようにしているのです。エボ7にあるドア下のサイドシルもWRカーにはありません。これはノーマルセディアのFFモデルにより近く見えるためです。また、リヤウイングも形状こそエボ7のものと似ていますが、WRカーレギュレーションでウイングの角度は変更できないので、これも固定式となります。

WRカーのボディワークで外観からは分かりにくいところで、実際には変更されているところはどのようなところですか。

外観からではフェンダー部分の変更はあまり分かりませんが、ホイールハウスの内側はサスペンショントラベルを増やすために全く違っています。燃料タンク、ダッシュボードといったものも軽量なものに代える予定です。

 最後にWRカーをドライブしたラリーアートのチーフテストドライバーのラッセ・ランペリにインタビューした。

開発中のこのクルマでもすでにWRカーのパフォーマンスが高いことが分かります。まず、直進安定性が高いこと、コーナーでのターンインの挙動がいいこと、そしてブレーキングが素晴らしいことです。これはホイールベースが長くなったからだけではありません。サスペンションジオメトリーも全く異なっているからです。4輪ストラットサスペンション、後退したエンジン搭載位置により、オーバーハングウェイトが小さくなっているのです。直進安定性の高さはロングホイールベースによるものだし、ブレーキング性能の向上は前後重量配分の適正化によるものです。車重自体はレギュレーションの最低重量規定により、1230kgと以前のモデルと同じになっていますが、フロント部分の軽量化が功を奏しているのです。それと重心がかなり下がっているので、サスペンションのロール剛性が高くなり、かなりカチッとした印象となっています。エンジンフィールは以前のモデルとは少し異なっています。トルクとレスポンスはほとんど変わりありませんが、高回転域が良くなっています。低回転域のドライバビリティはこれまで同様に良いにもかかわらず、高回転域のマナーがずっと良くなっているのです。これはエンジンルーム内部とブレーキのエアフローを徹底的に改善したからでしょう。

以上のようにWRカーの開発は順調に進んでいるようである。今後も三菱ラリーアートチームの活躍を期待したい。