世界で活躍するランサーエボリューションは、各国の専門誌も注目!
|
ヨーロッパやアメリカの自動車雑誌に比較して、オーストラリアの自動車雑誌は、あまり我々には馴染みがないが、世界的に見てオーストラリアのモータージャーナリストのレベルは非常に高い。実際、英国のメジャーな自動車雑誌の編集長には、オーストラリア出身のジャーナリストが多いし、ホイールズ誌のインプレッションを読むと、鋭い評価と的確な表現に感心させられる。 今回は、そのホイールズ誌の日本駐在員であるピーター・ナーンが、今年2月に、ツクバサーキットで行なわれた試乗会に、参加したときの様子を伝えている。 「今日は東京から約100km北にある筑波サーキットで、いよいよ待望のエボVIIのステアリングを握れる。これはファミコンゲームのグランツーリスモのことではない、リアルワールドの話である」と、歴代エボシリーズを取材しつづけてきたナーンの興奮ぶりが文章から伝わってくる。 |
![]() |
![]() |
「エボVII がエボVIと比較して、まったく新型であり、スムーズで速く、各部のフィニッシュが良くなり、ハイテク化が進んでいることは、すでに広報資料を読んで知っている。今日はそれを実際、自分で確認しにきたわけである。動力性能はインサイダー情報によると、最高速は+10km/hの253km/h(もちろん180km/hで働くスピードリミッターがない場合の話である)、0→100km/h加速は−0.1秒の5.6秒と言われている」 日本の雑誌には、こうしたメーカーの内部資料的な動力性能値が公表されることはまずないが、これは外誌ならではの特権といってもいい。 |
サーキット試乗会でのレポートらしく、いきなり走りのインプレッションから入る。 「まず、最初に感心したのは、フロントタイヤとドライバーが一体化したかのように路面感覚を正確に伝えるステアリング。 4WDでありながら、クレバーなアクテブ・センターデフのおかげで、素晴らしいステアリングレスポンスと、高いトラクションを高次元で両立している。 スロットルコントロールで、アンダーステアやオーバーステアをもいとも簡単に作りだすことができ、コーナリング姿勢を自由自在に選べる。これはサーキットのみならず、ワインディングロードでの強い武器となる」 強いアンダーステアに終始し、コーナーでのハンドリングの自由度の少ない、一般的な4WDと比較して、いかにエボVII が優れたシャシー性能を持っているかを、的確に表現している。 |
![]() |
|
そして話題はエンジン性能へと移っていく。「ストレートに入って加速していくと、低めのギヤレシオとレスポンスの良いターボエンジンとの組み合わせで、タコメーターのニードルは7000rpmのレッドラインをあっというまに越えて、メーターを読み取る間もなく、7500rpmのレブリミッターに当たってしまう。歴代エボの4気筒ターボエンジンはどれも、3000rpmから上がとくに力強くパンチがあったが、このエボVII はとくに4000rpmから7000rpmが、とてもパワフルである」 |
![]() |
![]() |
それに続き、三菱の4G63 2Lエンジンは、日本のもっとも優れたエンジンのひとつであるとも書いている。そしてその中でもちろんこのエボVII のエンジンが、もっともパワフルでスムーズだと高く評価している。 「エボVIはかなりジキル博士とハイド氏的な、2面性のあるエンジン特性だったが、このエボVII はトルクがよりフラットになり過激さが失われているので、ドライバーには速さがあまり感じられないが、実際には確実に速くなっている」 「このエボVII は日本仕様の新型ランサーセディアセダンをベースにしているので、ボディ剛性はエボVIに比べると50%アップし、インテリアのクォリティとリファインメントは確実に高くなっている。 レカロバケットのサポートも申し分ないし、モモステアリングはデザイン、握り心地ともにとても良い。ホイールベースは115mm延ばされ、2625mmとなり、トレッドもフロントで+5mm、リヤで+10mmと大きくなっている。 全長は105mm延びて4455mm、全高は+25mmの1450mmと、全体に大きくなっているので、パッケージングはとくにリヤシートの居住性を中心にかなり良くなっている。 |
最後に素晴らしいブレーキについての記述も忘れていない。 「17インチローターに、4ピストンのキャリパーを持つブレンボ製のブレーキシステムは、ファインチューンされたスポーツABSシステムと組み合わされ、コーナリング中のブレーキングではより安定度が増し、今回のようなサーキットでの走行でも、効果的にスピードを殺してくれる上に、フェードを起こすこともなかった」 「オーストラリアには3か月以内に輸入される見通しだが、インプレッサWRXのドライバーは覚悟していた方がいい」と結んでいる。 文:いしわたり康 |
![]() |