

プラットフォームが変更され、まったく新しいモデルとなったランサーエボリューションVIIに搭載された4G63エンジンは、平成12年度排ガス規制へ適合した上で、更なる性能向上を達成している。
排ガス規制適合のため、EGRの装着、さらに触媒が2リッターサイズに拡大された。 そこで、タービンのノズル径を10.5から9.8に見直し、トルクの増大を図り、性能向上を達成したのだ。 「ランサーエボリューションVIIからは車重も重くなったんですが、当然VI TMEより劣るわけにはいきませんでしたから、その意味でもいろいろ苦労しました。」
性能向上は当然のことながら、エンジン本体の軽量化も実施した。 中空カムやマグネシウム製ロッカーカバーはランサーエボリューションVIIからの採用。 最高出力は変わらずだが、最大トルクはランサーエボリューションVIの38.0kgm/3000rpmから、39.0kgm/3500rpmへと引き上げられている。 「ただ、ランサーエボリューションVIIIになると、排ガス制御技術とともに、触媒技術も一気に向上してきたこともあって(ランサーエボリューションVIIIは2003年1月発売)、EGRを廃止しました。 苦労はありましたけど、最終的には排ガスをクリアしつつ更に性能も上げることができました。」
国内向けにおいては床下触媒のみだが、ヨーロッパとオーストラリア仕様だけは規制が厳しかったこともあり、フロント触媒追加が必要となり、大幅な排気抵抗アップとなった。 それを少しでも低減するためにメタル触媒を採用している。
ランサーエボリューションVIIIでは、他にもアルミバルブリテーナー、ビーハイブバルブスプリング、アルミ製ダンパープーリー、薄肉ステンレス鋳鋼エキマニなどを採用し、タービンシャフト冷却室も拡大。 バランサーシャフトも変更した。 また、ABV(いわゆるブローオフバルブのこと)開弁圧も高め、高過給圧に対応。 ピストンは高強度材を採用し、さらにヘッド自体も熱処理を変更して強度を高めている。 「性能向上に伴って、耐久信頼性も高めて行く必要がありました。」
その1年後に発売されたランサーエボリューションVIII MRでは、最高出力点以上の高回転域においてもエンジン性能が頭落ちしないように仕様を見直し、カムプロフィール変更、タービンノズル径10.5T化、バランサーシャフトの軽量化および触媒容量を1.5L化し、最大トルクもついに40kgmオーバーの40.8kgm/3500rpmとなった。