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エボリューション

開発者が語る4G63エンジンのすべて

Chapter 1: 初期型から現行まで、4G63の変遷

MIVECターボエンジンの利点

ランサーエボリューション IXの4G63の最大の特徴といえば、VVTを搭載しMIVECターボとした点だ。

ライバルメーカーと比べると、可変バルタイの採用が遅れたようにも思える。 「理由としては、今までは競合他車に対して、VVTが無くても性能的に勝っていたこと、もう一つは構造が複雑で重量も重くなるためです。 ただし、VVT装着により得られるメリットは分かっていたので、ランサーエボリューションIXからの採用を決めました。 実際の効果は予想以上でしたが。」

MIVECと聞くとミラージュに搭載されていた4G92のようなカム切り替え式を思い浮かべてしまうが、4G6DOHCではすでにGDI-Vとしてカムの位相が変化するMIVECを採用していたため、ランサーエボリューションIXではそのシステムを移植するだけだった。

カム切り替え式に関して三菱は、SOHCとDOHCの両形式で実績を持っているが、ランサーエボリューションのようなDOHCベースのカム切り替え式ではSOHCベースに比べさらに重量がアップする点やコストを考慮し、カムの位相式を採用した。 さらなる高回転化を目指すのであれば、カム切り替え式も検討するのであろうが、ラリーではリストリクターの装着が義務付けられ、常用回転域が市販車より低くなることも考慮された。

その他改良点として、ターボも変更された。 新設のグレード"GT"と、競技ベースグレードの"RS"に、マグネシウム材を使ったコンプレッサーホイールを採用した、いわゆる「チタンマグターボ」TD05HRA-16G6mC-10.5Tが搭載されたのだ。 軽量のマグネシウム材を使用することで、劇的なレスポンスのアップを実現させた。 また、コンプレッサーハウジングのディフューザーの拡大も、レスポンスアップに一役かっている。

触媒技術はさらなる改良の末、小型化が可能となり、1.2L仕様に変更。
油圧制御のMIVECとしたことで全体の油圧を高くしたが、「これまでに比べて多少は油温が上がる傾向にありますが、オイルクーラーも装備されているので問題はありません。」 4G63型エンジンは熟成を重ね続け、ラリーをはじめとするモータースポーツで鍛えられ、現在の最強レベルを達成できたのだ。